06/30〜07/02/2020 …… symptoms / signs
花岡事件から75年
(上・中・下)
〔『秋田魁新報』Web版〕
秋田県大館市の旧鹿島組花岡鉱山では、1945年、強制連行された中国人が、その劣悪な環境や虐待に耐えかねて蜂起し、憲兵隊に鎮圧。事件後の拷問まで含めると400人以上が死亡した。事件の記載が教科書から消えるなか、記憶の風化に立ち向かう地域の取り組みを追いかける。
【所感】花岡事件については、2018年に亡くなった野添憲治氏による厖大な聞き取り作業があり、その全貌が多角的に明らかにされている。氏の仕事は、1950年代の〈記録の時代〉を象徴する業績のひとつで、森崎和江や石牟礼道子の文学にも匹敵する内容である。秋田の市民グループにより、その遺構を訪ねるツアーなど積極的な周知活動も行われているが、全列島的な認知度は低い。慰安婦問題はもちろん、徴用工の過酷な労働や関東大震災時の朝鮮人虐殺も「なかったこと」にされつつある現在、日本社会全体が受けとめ向き合わねばならない、〈死なない過去〉である。(北條)

