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【磔刑のプロメテウス】

■■ team_umwelt ■■
わたしたちは、現代社会の諸問題について主体的に考え、ともによりよい方向へ踏み出すことを志向する、人文・社会科学の研究者、アクティヴィスト、ライターの集まりです。
現在のスタッフは、以下の5名です。
■ 堀 郁夫
(Ikuo Hori)
■ 北條 勝貴
(Katsutaka Hojo)
■ 岩崎 真美子
(Mamiko Iwasaki)
■ 杉浦 鈴
(Rin Sugiura)
■ 山本 洋平
(Yohei Yamamoto)

世界を診て、創りかえる。リフレクティヴな、人文知を用いた〈医〉のこころみ。

【臨床人文知 :なぜ医学の用語を用いるのか】……医学は、歴史的に、学・知・技の交錯する領域に生まれ、治療対象の心身との対話を通じて適切な処方を施し、その過程において医師自身、医学自体を再帰的に発展させてきました。そのため、例えば人びとの精神的救済を唱える宗教も(仏教しかり、キリスト教しかり、イスラム教しかり)、多く医師、医学を自らの譬喩として使用しています。本サイトでは、とかく好事家的価値付けをされる人文知を、自然・社会科学の知を参照しつつ応用科学にまで彫琢するため、医学の枠組みを援用します(臨床人文知)。
・臨床(clinical)……「公共哲学」や「公共倫理」など、諸学問の冠する〈公共(public)〉に近い意味で用います。しかし、あえて「臨床」を唱えるのは、個々の実存が集団性のなかに埋没してしまわないよう、ひとつひとつの生命に目を向けていたいためです。
・症状(symptom)……メディアや諸学問が採り上げるような大きな事案ではなく、一般には看過されがちな小さな事象を、何らかの病巣に基づく症状として掘り起こします。その際、閉鎖性・画一性・単一性を、悪化のベクトルとして注視します。
・兆候(sign)……必ずしも医学用語ではありませんが、症状が悪化のベクトルを持つのに対し、兆候は回復・改善のベクトルを含みます。その際、開放性・多様性・豊饒性を回復・改善のベクトルとして注視します。
・処方(prescription)……症状を改善するための手立てです。開放性・多様性・豊饒性に至る方法や理路を、さまざまな形で提示します。ただし、あくまで選択肢の増加を意図するため、〈単一の真理〉の押しつけはしません。
・再帰性(reflexivity)……主体が対象に働きかけ、対象がそれに応じて変化してゆくなかで、主体自体も大きく変容を遂げることを意味します。医師は患者に一方的な権威として君臨するわけではなく、治療を通じて学びを深め、心身ともに展開してゆきます。
・環世界(unwelt)……ヤーコブ・フォン・ユクスキルの提唱した概念で、生物が自らの知覚によりカオスとしての空間を分節し、生存に適した形式に構築した環境を指します。よって、環境とは生物にとって、常に主観的なものです。本サイトがこの概念を名称として用いているのは、分節の仕方を変えることで、個々の環世界をより〈生きやすいもの〉へ再構築してゆくプロセスを含意しています。
・SWOLB(スウォルブ)……”Solidarity With the Oppressed Living Beings” の頭文字を採ったもので、臨床人文知のスローガンです。わたしたちは、ヒト中心主義に反対します。

【各項目の説明】……本サイトは、上に説明した用語・方法を用い、下記カテゴリーに必要な情報・思考過程・解釈を網羅する形式となっています。難しいことを考えず、単にそれぞれを使って情報を得たり、思考の方法を学ぶ使い方も可能です。
● table of the world(診察台)……以下のカテゴリーの記事が並ぶメイン・コンテンツです。同一のカテゴリーやタグを選んで、画面を編集しなおすことも可能です。自分にとって必要な診察台を、工夫して創ってみてください。
a)symptoms/signs(兆候/症状)……現代社会を考える/生きてゆくうえで、注目すべき事象・情報のデータベース。政治・経済・社会・文化・自然環境の枠組みで兆候/症状を捉え、幾つかのタグ、所感を添えて理解の方向性を示しつつ、アーカイヴしてゆくもの。
・基本形式は、年月日/見出し/リンク・出典/概略/所感/タグ。テーマ・カラーは
・リンクカードのリンク先には、元データの消失を危惧する点で、ウェブ魚拓を利用させていただいているが、メタタグなどにより魚拓の取れないものは、そのままとしている。
b)notes(ノート)……a)とc)を繋ぐ、スタッフによる個人的な覚え書き、あるいは思考の過程を示すさまざまな情報からなる。
・情報の取捨選択、検討、意見交換などのプロセスをオープンにすることで、反証可能性を担保する目的がある。テーマ・カラーは
・スタッフによる実際のミーティングの様子や、ゲストを招いてのインタビュー、対談なども掲載予定。
c)prescriptions(処方)……a)に掲示した事象に対する、視点・思考法・選択肢の公式。
・a)のなかからさらに重要なものをピック・アップし、スタッフ全員で分析・考察、合意に基づく診断と処方を掲げる。テーマ・カラーは
・単一の選択肢に抗し、複数のフレーミング、複線的な落着点を志向する。
● タグ……それぞれの記事には、複数のタグが付けられています。一見、内容とは異質に感じるものもあるかもしれませんが、そこには何らかの意図が込められています。世界中で生起している事象を、整理するための手がかりとしてください。
・大タグ……〔政治〕〔社会〕〔経済〕〔文化〕〔自然環境〕の5つです。それぞれに、固有のアイコン画像が配置されています。
・小タグ……記事それぞれの個別の内容を象徴する、無数の言葉によって成り立っています。

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