10/08/2020 …… symptoms / signs
「高所占拠闘争」はここから始まった パク・ソリョン著『滞空女:屋根の上のモダンガール』
〔『レイバーネット』週刊 本の発見:根岸恵子〕
パク・ソリョン著/萩原恵美訳、同名書の書評。現在でも韓国で続く「高所占拠闘争」を始めた、20世紀初の実在の女性・姜周龍(강주룡、1901~1932)の伝記小説。強いられた結婚を放棄、抗日運動を経てゴム工場の女工となった彼女が、平壌の名勝・乙密台の屋根に上り、死を覚悟して賃金削減への反対運動を展開する。
【所感】パクは、高所へ登ることの意味を、トラから逃げ樹上へ登った兄弟へ天の鎖が下りてくる昔話などに依拠し、絶望的な情況を諦めず希望を見出すための戦いと位置づける。評者はその背景に、東学農民反乱との思想的繋がりを凝視する。民衆の武器であるつぶてに対する、中澤厚や網野善彦の分析を想い出した。社会史研究としても、意味のある言及ではないか。三一書房刊、2200円。(北條)

