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パンデミック疲れの現実……それは拡大しつつある

10/27/2020 …… symptoms / signs

パンデミック疲れの現実……それは拡大しつつある

『The Wall Street Journal』Web版: Stacy Meichtry, Joanna Sugden, Andrew Barnett
新たな感染拡大情況にある欧米で、〈パンデミック疲れ(pandemic fatigue)〉が広がっている。うがいや手洗いの励行は比較的進んでいるが、対人的な交流の抑止、親密な空間でのマスク着用がなおざりになり始めている。室内での交流が多くなる冬期、クリスマスも近づくなか、行政当局は警戒感を強めている。


【所感】日本でも同様の情況がみられるが、社会的・経済的な打撃を大きく受けている職種・階層には、コミュニケーションに由来する以上の疲労感、将来的な不安・心配から来るストレスが蓄積されている。一方で、日常性バイアスに基づく「瀬踏み」も進み、「日本は大丈夫」という根拠のない楽観論も広がるなか、やはり冬の到来が危惧される。被害の拡大は避けたいが経済的回復も図りたい政府は、福島第一原発事故の折と同様に、危機感の強調と緩和を政治的に使い分けてくる。そうした言説に翻弄されないよう、しっかりした判断基準を身につけておきたい。(北條)

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