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官邸前に登場した新しい戦い「本を読むことが抵抗だ」

10/25/2020 …… symptoms / signs

官邸前に登場した新しい戦い「本を読むことが抵抗だ」

「田中龍作ジャーナル」
前首相と現首相に対する、「反知性への当てつけ」として、官邸前で本を読むという新たな抵抗運動が展開されている。菅野完氏が現政権の日本学術会議への人事介入に反対して始めた、官邸前でのハンストに共鳴したものという。25日には、会社員や非正規労働者、主婦ら、老若男女35人が集まった。


【所感】創意工夫を凝らした、さまざまな抵抗のあり方があってよいと思う。しかし読書の姿勢が、「反知性への当てつけ」と語られてしまうと、現政権や維新勢力に自らを投影し、知恵や知識に反感を募らせる人びととの間に、さらなる分断を招きかねない懸念もある。自分たちは本を読み知識を得ることができるのだとアピールするとき、さまざまな事情で読書をできない人びとが存在することに、どこまで配慮できるかが大切だろう。それがなければ、〈権力への抵抗〉はすぐさま〈弱者への暴力〉へ変質してしまう。(北條)

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