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逗子崩落・女子高生死亡 事故前日に亀裂発見 マンション管理会社、行政に伝えず

10/30/2020 …… symptoms / signs

逗子崩落・女子高生死亡 事故前日に亀裂発見
マンション管理会社、行政に伝えず

『毎日新聞』Web版:畠山哲郎・宮崎隆・遠藤大志
2月に神奈川県逗子市でマンションの敷地が崩落、通りかかった高校生が犠牲になった事故で、マンションの管理者が事故前日に同所で4㍍に及ぶ亀裂を発見、管理会社・大京アステージに連絡していたにもかかわらず、同社は行政に連絡をせず、適切な対策が採られなかったと判明した。


【所感】大京アステージを傘下に持つオリックスのグループ広報・渉外部は、「関係者にお悔やみ申し上げる。事故に至る経緯は警察が捜査中なので詳細は差し控える」と発言しているという。事故・事件の記者会見の常套句だが、不用意な発言が捜査を混乱させるというのは建前で、自らに不利な証拠を提供してしまうことを防ぎたいのが本音で、いわゆるリスク管理の一貫として指示されているのだろう。ここ数年、政府の記者会見や国会でも同様の発言が繰り返されている。追及される側としては当然の防衛手段かもしれないが、しかしこのことで、政府や官庁、加害者となった企業等が果たすべき公共性への貢献が、なおざりにされているような気がしてならない。この記事でも、もはや馴れっこになっているのか、あえて発言を批判してはいない。しかしわれわれは、繰り返しクレームを付けるべきではないか。「あなた方には、しかるべき調査を迅速に行い、いま分かっていることだけでも、誠実に説明する義務と責任がある。そのことが、警察の捜査や裁判において不利な証拠となるなら、甘んじて受け容れるべきではないか」と。(北條)

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