Close

ありがとう矢口先生 まんが美術館に祭壇、来館者手合わせる

11/26/2020 …… symptoms / signs

ありがとう矢口先生
まんが美術館に祭壇、来館者手合わせる

『秋田魁新報』電子版
秋田県横手出身の漫画家・矢口高雄さんが、20日、膵臓癌で亡くなった(享年81歳)。矢口さんが名誉館長を務める同市の増田まんが美術館では、26日に祭壇が設けられた。大石卓館長は、「葬儀は近親者のみで行われたが、伝えたいことのある人は館を訪れ、思いを遂げてほしい」と話している。


【所感】矢口高雄さんの漫画には、『釣りキチ三平』『マタギ』など、自然と人間との関係を扱ったものが多い。1970年代の小学生は、彼の漫画に熱狂し、釣りブームが巻き起こった。個人的な想い出となるが、そうした当時の子供たちがよく口にしていたのは、「池や沼、川の縁には、〈主〉がいる」という言葉だった。狩猟採集社会に広くみられる〈動物の主〉の観念は、日本列島でも縄文時代から存在したと考えられているものの、戦後の高度経済成長期に急速に失われてしまった。それを子供たちのメンタリティーに呼び戻したのが、やはり当時一大ブームを築いたTBS『まんが日本昔ばなし』であり、矢口漫画であったと思う。その功績に経緯を表したい。合掌。(北條)

© 2024 臨床人文知 ThinkTank:環世界〔Umwelt〕